体力の衰えたジルはこの行為だけでも疲労してしまって、ぐったりと寝具に身を横たえていました。
でもこれでお終いにしてもらえないことは、ジルにも分かっていることでした。
ベッドがミシリときしみ、ルークがガラスでできた瓶を小棚から取り出して再びジルの元に戻ってきました。
その瓶の中身である冷たい潤滑油が、とろりと脚の狭間に垂らされる感触にジルは小さく溜息を吐きました。
うつ伏せにしたジルの細く小さな尻を開いて、ルークは狭すぎる襞口から更に奥までを慎重に広げていきます。
ルークにはもう手馴れた準備になっていても、ジルには何故こんな恥ずかしく苦しいことをされるのか分からず、何度触れられても慣れることができないのでした。
「ぅぅぐ…っ、ひぃっ、いぃ…っ!」
その衝撃に、ジルは寝具のクッションを噛んで必死に悲鳴を噛み殺しました。
ゆっくりした動作であっても熱い異物に狭い器官を貫かれる瞬間は、ジルは涙と苦悶に襲われます。
ルークの動きが止まり全てが入り込んでしまうと、ジルは小さな蕾を開かれて体内を一杯にされた圧迫感に慄き、短く苦しい呼吸を繰り返しました。
寝台のバネが連続して重くきしみ、ルークが動き始めるとジルからは絶え切れない泣き声が洩れだします。
屋敷の者に聞こえないように声を堪えようとするジルですが、それに構わずルークは激しい律動を繰り返しました。
ジルの首筋に荒い息を吹きながら、思う存分に白く小さな双丘を穿ち、空いた手では汗濡れのジルの体を貪るように這い回らせています。
小柄で細身のジルでは、体格差のあるルークの力にとても抗うことはできません。
ルークが動く度にその体重でベッドに押し付けられて、激しい動きを受けては泣き喘ぎながら細身の腰をくねらせるのでした。
「ん、ンっ… は、あ…ぁぁ……っ」
この頃になるとジルの意識は霞み、もう何をしているのかどうでも良いような気持ちになって、激しい揺れに身を任せていました。
そうしてギッギッとせわしなくきしむ寝台の音に、内奥を擦られる音、自分のものと思えない上擦った啼き声に長い時間を支配されるのです。
部屋に響く泣き声が弱々しく擦れる頃になって、ようやくルークはジルを開放してくれました。
せっかく洗い清めたジルの身体は、ほんの一刻の間に汗と体液で汚れてしまいました。
開かれた脚の狭間には白い陵辱の証がとろとろと垂れ落ちていて、ジルの腹部に重苦しい感触を残しています。
うつ伏せのまま動けずに横たわるジルの傍らに、ルークは紙の包みを置くと物も言わず浴室に去って行ってしまいました。
乱れた呼吸を繰り返しながら、ジルの瞳からまた一筋涙が零れました。
置かれた包みの中身は確認しなくても、いつも同じ――パンやハム、果物などが入った食物の包みです。
義父は満足な食事を与えていなかったため、ジルは厨房で残り物をもらったりしていましたから、このような施しは有難いことのはずでした。
ルークに渡されるこういった食料がなければ、ジルの栄養状態は更に悪いものになってしまっていたでしょうから。
しかし、肉体の疲労やルークとの行為よりも、この施しを受け取ってまるで身売りをしたような気持ちにさせられる時こそ、ジルが一番辛く悲しく思う時間なのでした。
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